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Bowers & Wilkins PXについて(続き)

音質について

 一番肝心な音質についてですが、これは先日のブログの中にも少し書きましたが、このヘッドホンの価値は、恐らく、B&Wの特にP7の音を知っていて、その音を気に入っている人が、その音をWirelessで楽しみたいと思う人向けだと思います。P7でもそうですが、B&Wのヘッドホンは、スピーカーの老舗メーカーらしく、全帯域に対してフラットに聴かせる感じなので、まさにJAZZやCLASSICが合う、という形容が良く合う音の鳴らし方です。だから、P7の音が好きな人で無いと、音を聴いてガッカリする可能性が高いです。

 では、P7の音がWirelessでも聴けるかと言うと、さにあらず。やっぱり、P7とPXでは音は違います。それは、もちろん、有線と無線の差が根本的な差として存在するからですが、例えPXを有線で使用しても音の違いはあると思います。P7にもWirelessはあるわけで、P7 Wirelessを有線で使えばP7と変わらないとも言われている訳で、音質有線で有線を優先して使う、そういう使い方なら、やはりP7 Wirelessをお勧めします。PXはあくまで無線をメインで使うことを前提にした商品です。

 Bluetooth接続によるWirelessのイヤホン・ヘッドホンはすでに多くの製品が存在します。そういう商品群の中で敢えて、音質を重視して選ぶときに、現状出ている商品の中では1、2位を争う製品だと思います。また、これまでの商品では、やっぱりWirelessの便利さを取る場合には、音質を犠牲にせざるを得ない、という感じでしたが、PXの登場で、ようやく音質をそれほど犠牲にしなくても済む製品が登場した、と感じます。Wirelessでもここまでの音を出せるんだ、そういう感動を感じることができる商品です。エージングについては、必要だと思います。20〜50時間は必要かと。このくらいのエージングで、変化を感じました。

ノイズキャンセリングについて

 購入当初は、ノイズキャンセリング無しの方が音がいい、と思っていました。私の場合は、ほぼ100%外で使う用途なので、電車の中等のノイジーな環境で使うことがメインです。エージングが進んだ状態で聴くと、B&Wの特長でもある繊細は表現を聴き取るにはノイズキャンセリングが必要なのでは?と思い始めて、ノイズキャンセリング有り・無しで色々と聴き比べした結論としては、外ではノイズキャンセリングがいい、というものです。カナル型のイヤホンとは違ってヘッドホンの場合は、どうしても周りのノイズは耳に入って来てしまいます。結局、ノイズが乗った状態ではいい音もない訳で、最近は基本的にノイズキャンセリングを使っています。一番強い、フライトモードです。

音量と音漏れについて

  PXに関するネット上のレビューで、「音漏れが多い」というのをいくつか見かけました。PXのヘッドホンハウジングの上面部には、恐らくノイズキャンセリングのマイクが内蔵されていて外音を収集するためのメッシュ状の穴が空いています。そこから、音が漏れている、というものです。確かに、ここを塞ぐと音漏れがグッと小さくなるので、それ自身は事実だと思います。但し、私が通常使っている音量であれば、周りが余程静かな状況で無い限り、音漏れ自身は心配するようなレベルではありません。

  最近、PXばかり使っていて久しぶりにSE-846で聴いたら音量の大きさにちょっとびっくりしました。ZX300のバランス接続で80くらいのボリュームで聴いていましたが、PXに慣れた耳には非常に大きかったです。60位でも十分でした。PXは大音量でガンガン鳴らすというヘッドホンでは無く、クリアで繊細な音を再生する、という感じなので、あまり音量を大きくして聴くものではないと思います。そういう意味では、音漏れが気になるかどうかは、どれくらいの音量で聴いているかに依る、と言えるでしょう。

  音量は控えめで、ですね。耳の健康のためにも。